ブラッとするには 丁度良い距離

by スタジオ亜空間

☆ 未来を探して 今日も何処かを ブラッとしています 平岡莉貴 ☆

何回目のフィリピンだろう


「ノンスもっキング」とカナ、かな、交じりで表示された通路を通り過ぎれば、まもなく入国審査がある。表記が間違っていても日本語で書かれているのは、それだけ日本人旅行者が多いと云う事なのか? それとも日本人のマナーが一番悪いと云う事なのか? ここを通る度に私は気になっていた。
 すでに六度目のフィリピンになる。
「アリガトウ、ハ、サラマッ。オジイサンニハ、ポッ、ヲツケルヨ」
 3年前、コーディネートを引き受けてくれたビビアンの言葉を思い出す。
「サラマッ」
 今回はこの言葉を何度使う事になるだろうか? そして、何度聞くのだろうか? 私は出来るだけ使おうと思っている。今までの仕事とは違うのだから。
           
「なぜ、コマーシャルからジャーナリズムの世界へ?」
 そんな問いかけにも私は、はっきりと答えられないでいた。
           
           
 さて、今回のフィリピンはピナトゥボ火山噴火の被災地そしてスラムでの、ボランティア活動の視察に同行取材と云う硬派の仕事だ。前回のようなスポンサーの提灯持ち撮影会ではない。わずかな緊張感と、それに伴う楽しさが身体全体を覆っている。
 私個人としての仕事は三つある。
 一つは、SCJの現地での活動を見、体験する事。ふたつ目は、フィリピンミッションと名付けられたこの視察の記録写真を撮る事。最後に私自身のライフワークとしてSCJの活動をフォトルポルタージュする事、だ。
           
 ここで、これからのエピソードを理解してもらうために、少しSCJ及び同行メンバーの事を書いておこう。
           
 SCJ(セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン)は、大阪青年会議所と国際婦人福祉協会有志が中心になって生まれたもので、主にアジア地区を中心に活動している。現在はフィリピン・ネパール・タイにスタッフを置き子供達が将来自立出来るための、教育を中心に行っている、民間の援助団体だ。
 メンバーは、大阪を11時前に出発した先発組として、SCJ活動を協力にバックアップしている、理事、そして大阪青年会議所のメンバーら8名で構成されている。このミッションの費用の一部も彼らの援助に依る事が多い。
 少し遅れて、12時30分大阪を出発した私たち後発組は、SCJの職員である高田真砂子氏を始め日本でのボランティアら8名の構成だ。
           
 私達後発組が入国審査を終えフィリピン空港のロビーに出たのは、フライトプランの遅れで午後11時(現地時間)を回ってしまった。
 遅れて到着した私たちを、現地で活動しているSCJのディレクター上田敏博氏と先発組の専務理事・谷一寛氏がマイクロバスで出迎えてくれている。彼らも到着がかなり遅れたそうだ。
 先発組の他のメンバーはすでにフィリピンプラザホテルにチェックインしている。 
 SCJフィリピンスタッフの運転するマイクロバスでマニラ市に向かい、私達ボランティアスタッフの宿泊先ヤスミンペンションで軽く打ち合せと乾杯をする。懐かしいサンミゲルビールがほろよく回って、深夜にもかかわらず、全員明日からの思いに話が弾んだ。
 が、間もなく、クッションの悪いベッドと、騒音を発するエアコンに悩まされる事になるとは、その時は知る由も無かった。

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